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ARTS & SCIENCEで財布を買いました。感動しました。

次もまたARTS & SCIENCEで財布を買うんだ、と心に決めました。

青山に行った日

2021年3月、大学卒業から13年勤めた会社を退職し、ほのぼのした日々を過ごしていました。早起きして近所を散歩したり、妻や子供を見送った後に家の掃除をしたりしていました。

折しもこの年の4月5日、結婚10周年という節目がひかえていました。妻から「なんかしようぜ」的なオーラが漏れ出して家庭内を覆い、さらに練られて増幅された結果、「一緒にARTS & SCIENCEの財布を買おうぜ」という”発”へと昇華されるまで、さほど時間はかかりませんでした。おそらく妻は放出系です。妻はJabara short wallet、私はJabara mini wallet、色はどっちも黒。と、あっさり決まり、実物はお店で見て買うんや、となりました。

3月17日、余っていた新幹線回数券を使って懐かしの表参道駅(前職は表参道にオフィスがあった)に降り立ち、A5出口を出て根津美術館方面に歩いて行き、SHOES and THINGSに辿り着きました。時間はたぶん午前11時くらい。開いてなかった。

その日は、前職の後輩と昼ごはんを食べる約束をしていました。開店時間の12時にお店に行ってると間に合わなそうなので、お昼を食べてからまた来ることに決めた。昼ごはんまでの1時間半をどう過ごそうか、考えながら青山霊園を行ったり来たりしていたら1時間半くらい経ってました。まだ桜は蕾だったと思う。空気は少しひんやりしているけど、それ以上に日差しの暖かさ強くポカポカしている。今思い返しても、かなり幸福度の高い散歩だったな。

ご飯を食べて、14時くらいに再びお店に行きました。平日の真昼間なので、客は私ひとり。その日の私は、すでに相当な多幸感につつまれていたけれど、スタッフの女性の心地よい接客のおかげで、その感覚が2段階くらい高まった気がします。その日、Jabara mini walletはどの店舗にも在庫がなく次の入荷は秋になるとのことだったので、妻のJabara short walletだけを買いました。Jabara mini walletは入荷次第、連絡をいただけると言うことで、名前と電話番号だけを書いてお渡しし、お店を出ました。

とにかくその日は気分が良かった。10周年のタイミングで記念の品が揃わないことになったけれど全然問題なし。全然最高。

電話をもらった日

8月28日、見知らぬ番号から着信がありました。いや、日常的なやりとりはほぼLINEかメールになり、電話帳に登録することがないから、基本すべての着信は見知らぬ番号なのだけど。その番号は、03から始まっていました(群馬在住の私の場合、見知らぬ番号は大体0273から始まっている)。当然ググります。SHOES and THINGSだ!

かけ直すと、Jabara mini walletが翌週には店頭に並ぶ、と言うことでした。同じ色でも個体差があるから、選びたいなら早めに来店した方が良い。でも世の中は緊急事態だし、わざわざ県をまたいで行くのは微妙ではないか、送って貰えば済む話。しかしながら、青山をぶらついたあの日の心地よさを追体験したい気持ちもある。葛藤した結果、必殺の業界用語「一旦持ち帰ります」を使って電話を切りました。数日、もやもやしながら考えたり、一瞬忘れかけたりした結果、やっぱり送ってもらうことにしました。

うだうだしている間に9月8日。お店に電話して自宅の住所をお伝えし、代金の振込先をお聞きしました。翌日の午後に振り込みを完了すると、その日の夕方に電話がありました。「先ほどお振り込みを確認したのですが、本日の集荷に間に合わず、明日の発送となってしまいます」と、わざわざ連絡をくださったのです。振り込んだ日に発送する、と約束していたわけでもないのに!感動ボルテージが上がるのを感じました。なんて丁寧な心配り。

届いた日

9月10日。届きました。あれ?前日の電話では、この日は発送日のはずなのに。あの後、もう一回集荷を呼んで発送してくれたのだろうか…。ありがたすぎる。それはもうウキウキしながら開封しました。すると、包みの中に封筒がある。洋3号サイズの封筒の中央に、丁寧な字で「大井智之様」と書かれています。その時点で、かなり感激していて、語彙の貧弱な私は「うわぁ」「マジで?」「すご」と心の中で呟いてました。

封筒の中には、ARTS & SCIENCEとエンボスで印字された、封筒と同じサイズの白いカードが入っていて、カードには手紙が書かれていました。その内容に感動して、震えました。

ご結婚10周年の記念との事でしたよね。
改めておめでとうございます。奥様とともにお気に召して頂ければ幸いです。

え・・・・・・・・・神?

いや、確かにそんなこと話したかもしれない。お店にいった時、上機嫌だったから。でもですね、半年も前の、自分自身「そんなこと話したっけなぁ」と言う内容を覚えてくれていたこと。言葉がシンプルで爽やかなことに、心底感動しました。

今っぽいビジネスワードを使うと、最高の顧客体験だったと思うけれど、そういうメタな言い方があまりしっくりこない。ほんわかと、あたたかい気持ちになりました。という感じ。

半年前に店頭で対応してくれて、今回お手紙を下さったスタッフさん。本当にありがとうございます。
大事に使います。そして、次もまたARTS & SCIENCEで財布を買おうと思います。

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